株式会社は、資本金、借入金などのかたちで集めたカネを、事業によって増やすための組織である。
事業の元手となるカネをひっくるめて、「負債(ライアビリティ)」と呼ぶ。
日本語の「負債」は借金のイメージが強過ぎるから、資本金を負債と呼ぶことはピンとこないかもしれない。
ライアビリティは、要するに、事業の「元手」のことである。
「負債」という言葉は、そこから会社に義務が発生することを意味すると考えればいいだろう。
事業によって得られた儲けから、銀行、友人には利子を払う。
利子を払うことは、会社の義務である。
株主には、配当を払う義務がある。
会社は、ライアビリティを元手にして、カネを儲けるための資産(アセット)を入手する。
この喫茶店の例では、500万円のマンション、400万円分の備品は、有形固定資産である。
友人から借りた100万円は、その時点では、現金として存在する。
事業が始まったら、コーヒー豆などの在庫資産に変わるかもしれない。
会社が、どのように資金を集め(ライアビリティ)、どのように使っているか(アセット)、それを一覧表にしたものを「バランスシート(貸借対照表)」と言う。
さて、実際に事業が始まると、会社は、さまざまな契約を結び、それに基づいてカネやモノをやり取りする。
理論的には、そのやり取りに応じて、会社のバランスシートは刻々と変化するわけである。
しかし、この例の喫茶店くらいならともかく、大勢の人間が働く株式会社では、その刻々の変化を追うことは不可能である。
実際は、株式会社は、年に一度の決算のときに、その時点でのアセットとライアビリティを整理して、バランスシートを作成、発表する。
喫茶店のカネとモノの出入りは、単純である。
収入は、1杯何百円かのコーヒーの売上。
支出は、コーヒー豆の購入、光熱費、アルバイトの人件費など。
大きい会社では、ずっと複雑なものになるであろうが、そういうカネの出入りを1年分まとめたものを「損益計算書」と呼ぶ。
人件費が月に20万円で、3ヵ月で240万円。
光熱費が月5万円で、60万円。
100万円分のコーヒー豆を買って、経費は、合計で400万円。
売上は、500万円あったとする。
損益計算書は、こういうことを整理した表で、利益が100万円あったことがわかる。
損益計算書は、1年の間に会社を通り過ぎていったカネとモノの出入りを整理したもの、過去の出来事の記録である。
これに対して、バランスシートは、ある1時点での会社の状況を写し取ったものである。
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